動物検疫手続き(2か月前~7日前まで)
【1】検疫
イギリスの動物検疫は世界で最も厳しい...なんて言われていたようですが、2012年に規制緩和があり、現在では日本入国の動物検疫の方が厳しい状況です。
なので、2年後の日本帰国時に備えた準備(あるいは、途中で急に日本に連れて帰って来なくてはならなくなった場合のための準備)をしておけば、イギリス入国のための検疫に必要な手続きはクリアできることになります。
また、事情は【2】渡航経路の選択で述べますが、今回はフランス経由での渡航に決めたので、今回はフランスの動物検疫の規定もクリアしなくてはなりません。
≪フランスの動物検疫≫
在日フランス大使館の案内
- マイクロチップを入れてあること(ISO11784規格準拠のもの)
- 有効期間(接種後1カ月以上1年未満)内に狂犬病の予防接種を受けていること
- 健康証明書(EUの書式)を提出すること(*ただし日本から出国の際に検疫所で発行された輸出検疫証明書で代用可能)
(参考)
【2007年に犬を連れて渡仏された方のブログ】
≪イギリスの動物検疫≫
イギリス環境食料農村地域省(DEFRA)のサイト
- マイクロチップを入れてあること(ISO 11784 あるいは ISO 11785)
- イギリス到着より21日前までに狂犬病の予防接種を受けていること
- 指定の経路で入国すること
- Health Certificate(=衛生証明書)を準備すること(*日本から出国する際に検疫所で作成してもらえる)
≪日本の動物検疫≫
動物検疫所のサイト
おそらく世界で最も厳しい日本の動物検疫。
再入国を前提とした手続きの流れは、以下の通り。
(1)マイクロチップを入れる
(2)1回目の狂犬病の予防接種を受ける
(30日、間をあける)
(3)2回目の狂犬病の予防接種を受ける
(4)狂犬病の抗体検査のため血清採取、検査機関に送付
(所要2週間くらい)
(5)抗体価検査の結果を受け取る
(6)出国7日前までに輸出検査申請書を動物検疫所に提出
(7)輸出検疫証明書を取得、出発
(1)と(2)、(3)と(4)は同日実施可です。
なので、遅くとも出発の2か月前あたりから準備に取り掛からなくてはなりません。
私の愛猫は北アフリカの某国出身で、某国から日本に来る時に既に輸入手続きを一通り済ませてあったので、今回マイクロチップの装着は不要でした。
思い出話ですが、その時心配したのが、そのマイクロチップがISO規格準拠かどうかということ。マイクロチップには世界統一規格があるわけではなくて、ISO規格が主流だけれども、特にアメリカ製のものは独自の規格のものが多いそうです。もし独自規格のマイクロチップを入れていて、検疫所で読み取れなかった場合、個体が特定できないので狂犬病関連の証明書が無効になり、180日留め置き…。しかも、それを知ったのがマイクロチップを入れてもらってからだいぶ時間が過ぎた後だったので、獣医さんに聞いてみても、「パッケージ捨てちゃったし、どこのマイクロチップだったのかわからない」。ひやひやさせられました。結局、アメリカ製だけど運よくISO規格準拠のものだったとわかりました…。
ちなみに、日本で流通しているマイクロチップはISO準拠のものなので、読み取れないということはまずないはずです。ご心配なく。
それに、ISO準拠でなくても、検疫所が読み取り機を持っていれば、あるいは飼い主が読み取り機を提供できれば問題ないみたいです。
(参考)
北米から日本へのお引越しに関するクロネコヤマトのサイト
ISO準拠ではないマイクロチップ(主にアメリカ製)の規格に関する情報
http://www.datamars.com/wp-content/uploads/PetLink-Microchip-Guide_USA.pdf
http://www.microfindrslim.com/US%20Microchip%20Guide_5x8_12.pdf
それと、マイクロチップの装着は、ちょっと太めの注射で、あっという間に終わります。海外に行かれる予定がない方も、災害その他に備えて入れておくとよいかも。
ペットのマイクロチップ番号登録も受付。
自治体でも、ペットのマイクロチップ番号の登録受付しているみたいです。
環境省_マイクロチップをいれていますか? [動物の愛護と適切な管理]
・狂犬病の予防接種と血液検査
狂犬病の予防接種(2回)および抗体検査のための血液採取・血清作成に関しては、獣医さんにお願いすれば問題なく済ませることができるでしょう。
2回目の予防接種の後、同日に採血するのでも手続き上問題ないのですが、本当は1~2週間くらい後に抗体値が十分上がってから採血した方が望ましいそうです。
今回、私の場合は2回目の予防接種の直後に転居の予定があったので同日に済ませてしまいましたが、抗体価は基準値以上で問題ありませんでした。ちなみに、北アフリカ某国でも同日採血をしましたが、抗体価は基準値を超えており、やはり問題ありませんでした。
日本で狂犬病抗体検査ができるのは、生物科学安全研究所のみだそうです。同研究所のウェブサイトで紹介されている手順およびFAQをよく読んで、書かれている通りに検査料を振り込み、申請書を作成して血清と一緒に指定の住所に送れば、予定通りの日程で検査結果が送られてきます。一応、血清の輸送にはクール便を利用しました。
一般財団法人生物科学安全研究所のサイト
日本で唯一、狂犬病抗体検査を実施している団体。
狂犬病抗体検査 | 検査サービス | 一般財団法人生物科学安全研究所(RIAS)
NACCS(動物検疫関連業務)
一通り整ったら、出発7日前までに、NACCS(オンライン申請システム)で輸出検査申請書を作成し、動物検疫所に提出します。
動物検疫所/NACCS(動物検疫関連業務)について(犬や猫の輸出入手続者用)
次は【2】渡航経路の選択。